「ガレの庭 花々と声なきものたちの言葉」

 

ヨーロッパの19世紀末を彩る装飾様式「アール・ヌーヴォー」の作風で知られるエミール・ガレの美しいガラス作品を「アール・デコ」様式の東京都庭園美術館で堪能できる贅沢な企画です。

 

「植物を生理学的に熟知することがデザインに欠かせないとエミールは考えていた」と妻のアンリエットが述懐していますが、

 

植物や生物の現実描写を超えた詩的で暗示的な表現が、限りない幻想的イメージを導き出し、心の奥底から何かを思い起こさせるような作品の数々でした。

 

色・意匠・フォルム・マチエールと、ガレが研究と工夫を重ねて到達した『重ね』の表現は、織り・刺繍・箔・意匠を重ねて作られた『能の衣装』に通じるものがあると思いました。