ジョセフ・アルバースの授業 色と素材の実験室

ジョセフ・アルバースは、ドイツに創設された造形学校バウハウスで学び、のちに同校の教師となって造形の基礎演習を担当した美術教育者。同校の閉鎖後は渡米し、ブラックマウンテン・カレッジや、イェール大学に勤務して、学生たちへの造形教育を続けました。また、作家としても生涯にわたり、色彩や素材のもつ新しい可能性を探求しています。

 

紙の特性を見つめ、紙だからこそできる表現、またムダを出さない経済性について試行錯誤する「1枚の紙を用いた素材演習」もすばらしかったです。

アルバースが学びにおいて重要視したのは「目を開くこと」。そのために学生に課題を与え、自らの手を動かしていく中で素材や色彩について探求していく授業を重視していました。

 

バウハウスの流れを汲む桑沢デザイン研究所でも、真鍋一男先生による「造形の基本と実習」の授業があり、その考え方と繋がっているのを非常に強く感じました。

 

目の前のものをよく観察し、新たな視点でとらえ、いままでにない組み合わせを考えるーーそこからしか豊かで新しい発想は生まれないという桑沢での授業のエッセンスを思い出した有意義な展覧会でした。